一年間手を尽くした干し芋には、サツマイモだけが原料とは思えないほどの美味しさがあります。
春から秋にかけて栽培したサツマイモを冬まで保存して、洗って、蒸して、皮をむいてスライスして、天日干しにしたもの。
それが、「干し芋」です。
干し芋づくりは一年がかりです。
その間の天候にも左右されますが、一年間、農家がどれだけ手を掛けたかが結果につながります。
地味な農作業と、誰にでもできる簡単な加工作業ですが、それを連綿と、飽きずに丁寧に積み重ねることは容易ではありません。
しかし、それらを満たすと、干し芋はまるで宝石のように仕上がります。
干し芋作りしかできないから、それを極めることにしています。
干し芋は、静岡県御前崎(おまえざき)地方で江戸時代から作られています。製法はその頃からほとんど変わっていない農加工品です。
現在は、茨城県が9割近い生産量を占めていますが、農家の高齢化のため、生産量は年々減少の一途です。
干し芋のタツマでは、昔ながらの伝統的な作り方を継承して、茨城県の干し芋産地でも作られていない品種のサツマイモなど、新しい種類の干し芋にも挑戦しています。
干し芋の世界は、とても奥が深いです。
干し芋のタツマでは、主に茨城県産のサツマイモを扱っています。
「紅はるか」の干し芋は、それらの中でも最も甘い干し芋です。
また、日本各地で多くの種類の干し芋が作られていますが、茨城県産「いずみ種」は干し芋の最高峰の自負があります。
それ以外にも、「紅はるか」が登場するまで、1959年頃から60年近くの間主力品種だった「玉豊(たまゆたか)」をはじめ、「安納芋(あんのういも)」「人参芋(にんじんいも)」等々の10種類以上の干し芋を手掛けています。
また、干し芋の種類として、「平干し芋」「丸干し芋」「角切り芋」を取り扱っています。
干し芋の世界はとても奥が深く、まだまだ極めるのは途上だと痛感しています。
2007年1月、日本初の有機干し芋が誕生しました。
私たちが干し芋を扱う上で欠かせないのが、有機干し芋です。
30年以上付き合っているサツマイモ農家からでさえ、「できるはずがない、やめろ」と言われたのが、有機干し芋作りです。
農薬も化学肥料も使わずに、サツマイモを栽培するのは“不可能”だと…。
しかし、有機干し芋は絶対に必要だと確信していました。
食の安全性は、人が生きるためには避けて通れないことです。
そして、アトピーなどで健康を害する子どもたちが年々増えていく中、干し芋にも究極の安全・安心を求めている方が必ずいると確信していました。
「誰もやらないなら自分でやるしかない」
2003年、自社で有機栽培でサツマイモを栽培する所から、有機干し芋作りを始めました。
しかし、それは決して簡単なことではありませんでした。
有機栽培は、自然環境を持続させていく「循環型」の農業を確立させなければなりません。そのための課題は山積みでした。
まずは、農薬も化学肥料も使わないで育てた種芋の確保です。
そして、干し芋作りで出るサツマイモの皮を利用した堆肥も作りました。
全てにおいて一般の栽培とはかけ離れた農業でした。
春には種芋から苗を育てます。病気にも害虫にも負けない健康で逞しいサツマイモ作りには、丈夫な苗が不可欠です。
夏から秋にかけては、毎日畑に出て、草取りです。炎天下の除草作業は何よりも辛い農作業です。
有機サツマイモは、そんな私たちの期待に応えるように、一生懸命につるを、葉を伸ばします。
しかし、最初の数年はほとんど収穫できませんでした。
そして、試行錯誤を重ねて、やっとの思いで有機サツマイモを育てて、有機干し芋に仕上げることができたのは、2007年1月のことでした。
国産干し芋としては、日本初の有機干し芋の誕生でした。
※「日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会(JONA)より、2004年に初めて干し芋製造の認証を受けました。
たかが干し芋です。そこまで「有機」にこだわる必要はないのかもしれません。
夏の炎天下の中で、わざわざ汗だくになって草取りをしなくても、除草剤をまけばすぐに草だけが枯れます。
しかし、有機栽培を続けてきたことによる充実感は得難いものです。
それを、有機干し芋を待ってくださっている方と分かち合いたいと思っています。
人の営みの根本は農業です。
食に携わる企業として、どこまでも安心と安全を追求することが命題です。
そして、健康を願い、美味しい干し芋作りに徹することがタツマの役目です。
干し芋のタツマ | |
住所 | 静岡市清水区木の下町327-3 |
電話番号 | 054-354-1733 |
ホームページ | 【干し芋のタツマ】 https://www.tatuma.co.jp 【熟成干し芋達磨庵(たつまあん)】 https://www.tatumaun.jp |
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