「短歌」というと、どのようなイメージをお持ちになりますか? 堅苦しい、敷居が高いと思われる方がほとんどだと思います。歌人 田中章義さんがストーリーテラーを務める本展覧会。混迷した現代の私たちにこそ、短歌は大切だと気付き、自ら詠んでみたくなるはずです。
小さな博物館に凝縮した短歌のエキス
長野草風、川端玉章、平福百穂、結城素明の日本画を出品し、短歌を添えてみました。そこに歌人の田中章義さんの「ものがたり」が加わると、日本画と短歌の組み合わせが、キラキラと輝きます。
牧野宗則さん、風鈴丸さんの版画に、田中さんの「言の葉」のスパイスをかけると、版画と短歌の魅力が引き立ち、さらにおいしい「料理」になるように感じられます。
「紅葉」結城素明 「業平」長野草風
意外な出品作が短歌の魅力を無限大に
「ふくろうの造形」杉山明博さん
福音館書店の「どこどこ?ねどこ」のjuno(ユノ)さんの原画、松井妙子さんの染色画「那智の大楠」、杉山明博さんの木製の「ふくろうの造形」、Brown Butterさんの落ち葉アート…。短歌とどのように関係があるのか、と思われるはずです。「ことば」を熟知した田中さんならではの「ブレンド」が、コクと香りを生み出します。
「どこどこねどこ」原画 junoさん
短歌を詠むのはスマホ撮影の「シャッターチャンス」
スマホで写真を撮るのが好きだという方は、短歌を詠む才能に恵まれているかもしれません。「ばえる被写体を探す」「一瞬の風景を切り取る」「感情を込めた写真」、すべてが短歌を詠むことと共通しています。
田中さんは「言葉には魂がある。五・七・五・七・七の31音からなるメロディーにのった言葉は、亡くなった人、人間以外にも伝わる」と語っています。まずは、見たものを五・七・五・七・七に、のせてみたらいかがでしょうか? 自分との向き合い方が変わり、これまでと違った世界が広がるかもしれません。
是非、魅力あふれる短歌の世界をお楽しみください。
■会 期:2024年10月26日(土)から12月22日(日)、
2025年1月4日(土)から1月13日(月・祝)
■休館日:月曜日(祝日・振替休日の場合は開館し、翌日休館)
■観覧料:高校生以上600円
■主 催:駿府博物館(公益財団法人 静岡新聞・静岡放送文化福祉事業団)
静岡市駿河区登呂3-1-1 静岡 新聞放送会館別館2階
■後 援:静岡新聞社・静岡放送、静岡市、静岡市教育委員会