<山門>
静岡県浜松市中区広沢にある普済寺(ふさいじ)は、廣澤山(こうたくさん)と号する曹洞宗の寺です。十五世紀のはじめ、寒厳義尹(かんがんぎいん)が開山、その後、肥後国(熊本県)大慈寺からきた華蔵義曇(けぞうぎどん)が寒厳義尹和尚の遺志を継ぎ、東海の禅堂としてこの地に普済寺を建立しました。近隣にある西来院・宗源院は、普済寺の末寺にあたります。毎年2月の大祭には、遠方からの人々も押し寄せ賑わいをみせます。ご利益は商売繁盛、交通安全、災難消除、家内安全、心願成就と多岐にわたります。
【看板】
【総門】
総門の扁額には、「東海曹洞」と記されています。亀山天皇から賜ったものだそうです。
【廣澤山 普済寺】(本堂)
普済寺は古くから由緒ある寺として徳川氏の保護をうけ、家康も客殿を寄進しました。三方ヶ原合戦当時、浜松城が炎上したかのように見せかけるため、戦略上家康の命令で火が放たれ、本堂他の建物が焼失しました。天正10年(1582)に本堂が再建されましたが、明治30年(1897)火災に遭い、昭和20年(1945)戦災も被りました。現在の本堂は、鉄筋コンクリート造りで昭和39年に再建されました。
【雲夢橋】(うんぽきょう)(江戸中期建立の石橋)
昔の普済寺は「広沢」の名にふさわしく水の澄んだ池があり、月の名所として知られておりました。現在はそのような景観も残っておらず、僅かにこの雲夢橋が残るのみです。静岡県内最古の石造りの橋です。
【北山稲荷】
境内に稲荷社を祀っています。日本三大稲荷の一つに数えられている愛知県豊川市の豊川稲荷は、この北山稲荷から分祀されました。日本三大稲荷とは、伏見稲荷大社(京都市)、祐徳稲荷神社(佐賀県)、そして豊川稲荷(愛知県)の三社です。寒厳義尹(かんがん ぎいん)和尚が、京都市の北山出身だったので「北山稲荷」と名付けられました。
【徳川慶光公御手植之松の石碑】
境内には徳川慶光公の石碑があります。徳川幕府15代将軍徳川慶喜の孫にあたる人物であり、戦前の昭和期には官僚・軍人を務めた人物です。
【普済寺由来の看板】
<廣澤山 普済寺のご案内> | |
場所(住所) | 静岡県浜松市中区広沢1丁目2-1 拝観 境内自由 |
交通アクセス | 【バス】JR浜松駅から遠鉄バス「舘山寺温泉」行き「鹿谷町南」バス停下車、徒歩5分。 |
遠江における曹洞宗の古刹のひとつである廣澤山 普済寺は、徳川家康公関連の雰囲気も堪能できる場所です。是非お越し下さい。